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日本酒度とは。ラベルの数字から甘口・辛口を読み解く方法

日本酒度は、そのお酒が4℃の水より重いか軽いかを表す数字です。マイナスなら甘口寄り、プラスなら辛口寄りと読むのが基本ですが、測っているのは比重だけ。実際に口で感じる甘さや辛さは、酸度とアミノ酸度というもう二つの数字で大きく変わります。この記事では、日本酒度の仕組みと目安、数字どおりに感じない理由、買うときの使い方を、実際の銘柄の数値と一緒に紹介します。

SAKE METER VALUE: SWEET OR DRY, BY THE NUMBER
ひと目でわかる
  • 日本酒度は4℃の水と比べた比重の数字で、甘さそのものではありません
  • マイナスは甘口寄り、プラスは辛口寄りに感じるのが基本です
  • 同じ日本酒度でも、酸度とアミノ酸度で甘くも辛くも感じます
  • この記事の銘柄はマイナス35からプラス15まで、甘口から超辛口までを並べています
  • 日本酒度は入口の手がかりにして、買う前に酸度も確かめましょう
📌Note

本文の価格は執筆時点の海外の店での720mlの目安(米国の店頭価格)で、変動します。

日本酒度が測っているもの

日本酒度は、英語のラベルでは SMV(Sake Meter Value)と略される、比重の数字です。15℃のお酒の重さを、水が最も重くなる4℃の純水と比べ、水と同じ重さを基準にします。

発酵で残った糖分が多いほど液体は水より重くなり、比重計は高く浮きます。日本酒度計ではこれがマイナスの値になります。糖が多く残り、アルコールに変わった分が少ないお酒はマイナスに振れ、久保田 純米吟醸にごりの日本酒度マイナス35がその例です。逆に糖の多くがアルコールに変わったお酒は水より軽く、比重計は深く沈んでプラスの値になります。六歌仙 純米超辛口のプラス15がこちらの例です。

測っているのはそれだけです。水に対して比重計がどこで止まるか。酸も香りもボディも直接には表していません。だから同じ日本酒度のお酒でも、グラスに注ぐとまったく違う味になります。OneSip の商品ページでは、蔵元が公表している場合に限って、日本酒度と酸度をスペック欄に載せています。

目盛りの読み方。甘口から超辛口まで

マイナス5より下は甘口で、甘いにごり酒はマイナス20を大きく下回ることも珍しくありません。0前後は中庸、あるいはバランス型。プラス5から上は辛口の領域に入り、プラス10以上は超辛口や大辛口と呼ばれることが多い帯です。

💡Tip

日本酒度がわずかに違っても、味の印象はほとんど変わりません。2や3の差を気にするより、甘口・中庸・辛口・超辛口という帯で考えるのがおすすめです。

酸度とアミノ酸度で、数字の印象が変わる理由

日本酒度が表すのは比重であって味ではありません。舌が実際に感じる部分の多くを担っているのが、酸度とアミノ酸度というもう二つの数字です。酸度はラベルでは1.0から2.0の間に収まることが多く、甘いソースにレモンを絞るとバランスが取れるのと同じように、酸が甘さの印象を切ってくれます。日本酒度が大きくマイナスでも酸度が高ければ、べたつかずに均整のとれた味になりますし、同じ日本酒度で酸が少なければ、ずっと甘く感じます。

蔵元はこの組み合わせを意図して使い分けています。SOTO Junmai Daiginjo のように広く流通させるお酒は、日本酒度がマイナス1とほぼ中庸で、目盛りの端に置くのではなく、多くの人にバランスよく感じてもらうように整えられていることがよくあります。

逆の効き方もあります。酔鯨 特別純米酒は日本酒度プラス7と、すでに辛口の側にありますが、蔵元の説明では酸が高く、きりっと辛い酒質です。酸度が辛さをやわらげるのではなく、さらに押し出すので、酸度が平均的なプラス7のお酒よりも辛く感じます。

旨味のもとであるアミノ酸は、また違う働きをします。丸みとコクを足すので、辛口のお酒を鋭くではなく、ふくよかに感じさせます。Fukucho Moon on the Water Junmai Ginjo は日本酒度プラス3で数字の上では辛口ですが、蔵元の説明では、軟水と八反草で醸した穏やかで旨味の豊かなお酒です。アミノ酸が辛さの周りを埋めて、薄さを感じさせません。

ここが日本酒度のいちばんの限界です。ひとつの数字で、ひとつの要素しか表していません。同じ日本酒度のお酒が二つあっても、酸度とアミノ酸度を加味すると味ははっきり変わります。日本酒度はボディと甘さの最初の手がかりであって、保証ではないと考えてください。

日本酒度で並べる。マイナス35からプラス15まで

下の表は、この記事で取り上げた銘柄を、いちばん甘いにごり酒からいちばん辛い純米酒まで日本酒度の順に並べたものです。種類はばらばらなので、品質の順位ではなく、それぞれがどの位置にいるかの見取り図として読んでください。

日本酒度で見る甘口から超辛口まで
銘柄種類日本酒度価格(720ml)
久保田 純米吟醸にごりにごり酒マイナス35約23ドル
雪の天使 Snow Angelにごり酒マイナス20約30ドル
SOTO Junmai Daiginjo純米大吟醸マイナス1約14ドル
Brooklyn Kura Number Fourteen純米吟醸0約27ドル
久保田 純米大吟醸純米大吟醸0約30ドル
久保田 萬寿純米大吟醸プラス2約60ドル
Fukucho Moon on the Water Junmai Ginjo純米吟醸プラス3約36ドル
SOTO Junmai Sake純米プラス3約20ドル
獺祭23純米大吟醸プラス3約70ドル
久保田 千寿吟醸プラス5約25ドル
Joto Daiginjo大吟醸プラス5約40ドル
酔鯨 特別純米酒特別純米プラス7約20ドル
澤乃井 純米 大辛口純米プラス10約28ドル
雪男 純米酒純米プラス12約25ドル
六歌仙 純米超辛口純米プラス15約30ドル

買うときの日本酒度の使い方

まずは自分の好みから始めましょう。甘口のワインやデザート系のお酒が好きなら、マイナスの日本酒度を探します。特にマイナス15からマイナス35の帯はにごり酒が集まるところで、久保田 純米吟醸にごりや雪の天使 Snow Angel がその例です。どちらも白く濁った無ろ過のにごり酒で、最初から甘くクリーミーに造られています。

料理に合わせてきりっと飲みたいならプラスの数字を見ます。ただ、そこで止まらず、説明に酸や旨味の言葉があるかも確かめてください。酔鯨 特別純米酒はプラス7に高い酸が加わり、数字以上に鋭くさわやかに感じるので、揚げ物や脂の乗った料理によく合います。澤乃井 純米 大辛口と雪男 純米酒はプラス10からプラス12の帯で、酸が際立つという説明はないので、より澄んだ軽い辛さを想像すると近いはずです。

数字と並んで、種類も大事です。獺祭23、Joto Daiginjo久保田 萬寿のような大吟醸や純米大吟醸は、ふつうの純米酒よりずっと高く精米しているので、日本酒度がどこにあっても角が取れてなめらかになる傾向があります。プラス3の大吟醸とプラス3の純米酒では、同じ数字でも口当たりが違って感じられます。

迷ったら中庸の帯がいちばん無難です。SOTO Junmai Daiginjo、久保田 純米大吟醸、純米吟醸の Brooklyn Kura Number Fourteen はいずれも日本酒度がマイナス1から0で、多くの人が甘くも辛くもなくバランスがよいと感じる帯です。久保田 千寿は蔵元の説明でも、軽く冷やしても常温でもよいとされているので、まだ飲んだことのない一本の飲み方を決めるときの参考になります。

日本酒度でよくある勘違い

日本酒度で迷子になりやすい癖がいくつかあります。まず、この数字だけで決まると思ってしまうこと。精米歩合、酒米の品種、純米・吟醸・大吟醸といった種類は、甘さや辛さと同じくらいお酒の性格を決めますが、どれも日本酒度には表れません。

  • 種類の大きく違うお酒同士を、酸度を見ずに日本酒度だけで比べないこと。酸の高い特別純米の辛口の数字と、なめらかな大吟醸の同じ数字では、読み方が変わります。
  • 日本酒度の記載がないから中庸だと思い込まないこと。単に公表していない蔵元もあるので、書いていないことはどちらの証拠にもなりません。
  • 小さな差を意味のある差だと思わないこと。SOTO Junmai Sake のプラス3と久保田 千寿のプラス5の差は、それだけでは気づきにくいものです。

正しく使えば、日本酒度は手早いふるいであって、判決ではありません。数字でおおよその見当をつけ、酸度、アミノ酸度、種類、そして蔵元自身の説明を確かめてから、グラスに何が入るのかを決めてください。数字で近くまで行き、残りの手がかりで目の前の一本にたどり着きます。

おすすめの銘柄

この記事で紹介した日本酒

よくある質問

一般にはマイナス5より下が甘口の目安です。久保田 純米吟醸にごり(マイナス35)や雪の天使 Snow Angel(マイナス20)のようなにごり酒は、その中でもかなり甘い側に入ります。
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