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カップ酒とは?種類とおすすめ、買える場所、おいしい飲み方

カップ酒は、ガラスのコップに日本酒を詰めて金属のふたで封をした、一合サイズのお酒です。容量は180mlが主流で、ふたを引き開ければ、そのまま口をつけて飲めます。コンビニの冷蔵ケースではビールの隣に並んでいて、値段はカフェのコーヒー一杯とほとんど変わりません。なお、記事中の価格は執筆時点で確認したもので、店によって異なります。

CUP SAKE: JAPAN IN A GLASS
ひと目でわかる
  • 180mlでコーヒー一杯ほどの値段。コンビニなら250円から350円で買えます
  • 元祖は大関のワンカップ。1964年、東京オリンピック開会式の当日に生まれました
  • 定番カップの中身は普通酒。気取らずに飲めるのがいちばんの魅力です
  • ふなぐち菊水はガラスではなく缶入りですが、売り場では同じ棚に並んでいます

カップ酒とは。そのはじまり

カップ酒は、一杯分の日本酒をガラスのコップに詰め、金属のふたで封をしたお酒です。ふたを引き開けて、コップからそのまま飲みます。容量は180mlが一般的です。この180mlは昔ながらの単位でいう一合で、一升瓶(1.8リットル)の十分の一にあたります。なかには200mlや300mlのカップもあります。

生みの親は、兵庫県西宮市の大関です。西宮は灘五郷に数えられる酒どころとして知られています。ワンカップ大関が発売されたのは1964年10月10日、東京オリンピックの開会式当日でした。カップ酒の第1号として広く紹介されています。当時、日本酒は徳利に移して飲むのが当たり前で、ビールやウイスキーの瓶と違い、どのメーカーのお酒なのかが飲む人には伝わりませんでした。それならコップそのものを容器にして、コップで飲む姿を格好よく見せよう、というのが大関の発想でした。

この発想は受け入れられ、1967年には酒類業界で初めて、ワンカップの自動販売機の設置が始まりました。1979年には、カップ酒の開発と普及に対して酒造業界の団体から表彰も受けています。大関はワンカップを、60年以上愛されてきたロングセラーと紹介しています。いまも全国のほとんどのコンビニで買えるのは、ご存じのとおりです。

コンビニで買える定番

はじめに正直に書いておくと、定番カップの中身は普通酒です。特別な日に開ける一本ではなく、毎日の晩酌で親しまれてきたお酒です。ただ、そこがカップ酒のいいところでもあります。180mlがカフェのコーヒー一杯ほどの値段なので、四合瓶を買わなくても、日本酒を気軽に試せます。

ワンカップ大関はアルコール15%、日本酒度0。角のない、まろやかな味わいです。メーカーの参考価格は税別265円。コンビニの冷蔵ケースなら、まず置いてあります。

💡Tip

ワンカップ大関は、冷やしても、常温でも、燗にしてもおいしく飲めます。最初の一杯は、好きな温度でどうぞ。

カップで飲める吟醸と純米

カップの中身は普通酒だけではありません。同じ形の容器に吟醸や純米を詰めている蔵もあり、720mlの瓶を買う前の味見にもぴったりです。

ワンカップ大吟醸は、同じ大関の商品です。精米歩合50%、アルコール15%、日本酒度+4。メーカーの参考価格は税別304円です。吟醸香は穏やかで、旨味と酸味のバランスがよく、燗よりも冷やして飲むのが合います。

さらに本格派なのが、神亀 純米カップです。埼玉の神亀酒造は1987年、造るお酒をすべて純米酒に切り替え、戦後初の全量純米蔵になりました。180mlのカップでも、その造りは変わりません。五百万石を60%まで磨き、アルコールは15から16%。旨味の濃い、どっしりとした味わいです。専門店での価格は税込み670円ほどで、コンビニのカップの倍以上しますが、燗をつけると驚くほどおいしくなります。入門用というより、日本酒好きにこそ飲んでほしいカップです。

地酒カップとキャラクターカップ

大手の定番から離れると、ご当地のキャラクターや動物、名所をガラスに刷った地酒カップが各地にあります。飲み終えたあと、コップとして使い続けている人も多いはずです。

黄桜 かっぱカップは、京都の伏見にある黄桜の商品です。アルコール14%の普通酒で、カップには、長年この蔵の顔としておなじみのかっぱが描かれています。飲まずに飾っておいても楽しい、手頃なおみやげです。

御代櫻 純米カップは、岐阜の御代桜醸造の純米酒です。岐阜県産のあさひの夢を70%まで磨き、アルコール15%、日本酒度+7.5の辛口に仕上げています。蔵元の参考価格は330円。ガラスにはパンダが描かれていて、海外ではパンダカップの名前で親しまれています。OneSipに掲載している海外の店でも買える、数少ないカップ酒のひとつです。

開華 さのまるカップは、栃木県佐野市の第一酒造が造る特別純米です。アルコール14%、精米歩合65%。カップに描かれているのは、佐野市の公式キャラクター、さのまるです。佐野らーめんのどんぶりを笠にした侍で、2013年のゆるキャラグランプリで優勝しました。日本での価格は460円ほど。こちらも、OneSipに掲載している海外の店に並ぶことがあります。

缶で飲む生原酒、ふなぐち菊水

同じ棚には、ガラスではないものも並んでいます。新潟の菊水酒造が1972年に発売した、ふなぐち 菊水 一番しぼりです。蔵元によれば、日本で初めてアルミ缶に詰めた生原酒です。それまで、しぼりたての生原酒は蔵を訪ねた人しか味わえないものでした。

ふなぐち 菊水 一番しぼりは、200mlの金色の缶に入った本醸造です。新潟県産米を70%まで磨き、アルコールは19%。とろりと濃く、甘みと旨味がしっかりあります。蔵元のおすすめは、冷やして飲むこと。加水も火入れもしていないお酒なので、よく冷やすのがいちばんです。ガラスのカップではありませんが、コンビニでは同じ棚に置かれています。OneSipに掲載している海外の店にも届いている、数少ないカップ型の日本酒です。

カップ酒はどこで買える?

セブンイレブン、ローソン、ファミリーマートなどの大手コンビニには、たいてい一合サイズの日本酒が置いてあります。スーパーや駅の売店でも買えますし、車内販売のある新幹線なら車内でも手に入ります。ワンカップ大関のような定番は、コンビニでおよそ250円から350円。ローソンストア100の自社ブランドのカップはさらに安く、税別128円です。

  • コンビニ(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート)
  • スーパー、駅の売店
  • 車内販売のある新幹線
  • 専門店(東京、中野の味ノマチダヤなど)
  • デパ地下、駅のおみやげ売り場

いろいろな地酒カップから選びたいなら、日本酒の専門店がおすすめです。東京の中野にある味ノマチダヤは、20年ほど前からカップ酒に力を入れてきた店で、常時80から120種類ほどをそろえています。地酒カップの価格は、330円前後から700円ほど。その土地ならではのカップを探すなら、デパ地下や、旅先の駅のおみやげ売り場ものぞいてみてください。

カップ酒の比較
カップ蔵元と産地種類アルコールこんなときに
ワンカップ大関大関(兵庫)普通酒15%ふだんの一杯に。温度を選ばない
ワンカップ大吟醸大関(兵庫)大吟醸15%香りを一段上げたいときに。冷やして
ふなぐち 菊水 一番しぼり菊水酒造(新潟)本醸造(缶)19%濃醇な生原酒。必ず冷やして
黄桜 かっぱカップ黄桜(京都)普通酒14%キャラクターグラスをおみやげに
御代櫻 純米カップ御代桜醸造(岐阜)純米15%辛口の純米。海外ではパンダカップ
開華 さのまるカップ第一酒造(栃木)特別純米14%ご当地キャラのカップ。海外でも買える
神亀 純米カップ神亀酒造(埼玉)純米15から16%本格派の純米。燗で真価が出る
白鶴 CHIKA サケカップ白鶴酒造(兵庫)純米13.5%グラスは再利用できる。海外向けの商品

飲み方と温め方、海外で探すなら

カップ酒の多くは、冷酒、常温、燗の3通りで楽しめます。ガラスのカップの温め方は、大関が公式に案内しています。アルミのふたを完全に外し、500Wの電子レンジで1分以内を目安に温めます。上と下で温度に差が出るので、飲む前にかき混ぜてください。容器は耐熱ガラスではないため、温めすぎは禁物です。香りの高い大吟醸や、ふなぐちのような生酒は、冷たいままのほうがおいしく飲めます。

お酒は20歳になってから。これは海外からの旅行者も同じです。一方で、公共の場での飲酒を禁じる全国一律の法律はなく、新幹線の車内や花見の席でカップ酒を開けるのは、ごく普通の光景です。ただし地域ごとの決まりはあります。東京の渋谷では2024年10月から、駅周辺の路上での飲酒が禁止されました。通勤電車の中では控えるのがマナーです。

海外では、カップ酒はまだめったに見かけません。OneSipのデータベースには100種類を超えるカップ酒が載っていますが、海外の店で買えるのは、御代櫻 純米カップ、開華 さのまるカップ、ふなぐち菊水など、ごくわずかです。例外といえるのが白鶴のCHIKA サケカップで、こちらは海外市場向けに造られた200mlの純米酒です。アルコールは13.5%。はがせるふたと、飲み終えたあとも使えるグラスが特徴です。白鶴の海外向けサイトでも紹介されており、海外でいちばん見つけやすいカップ酒でしょう。

おすすめの銘柄

この記事で紹介した日本酒

よくある質問

コンビニに並ぶカップの多くは普通酒です。とっておきの一本ではなく、毎日の食卓で飲まれてきたお酒だと考えてください。そのぶん180mlがコーヒー一杯ほどの値段で買えるので、いろいろなタイプを気軽に飲み比べられます。もう少し上を試したくなったら、ワンカップ大吟醸や神亀 純米カップがおすすめです。
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